深夜のオーブン

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早苗はベーカリー「みのり」で夜勤を始めてからもうすぐ二年になるが、静かな時間帯は今でも新鮮に感じられた。十一時に店に着くと、通りは人気がなく、重い裏口の鍵を回す音だけが響いた。深夜零時までにオーブンはすでに熱くなり、彼女は一時間前に予熱を済ませておいたので、最初の発酵中のサワードウを横目に甘い生地をこね始めた。同僚のマサトは通常、十二時半に合流するはずだった。しかしその夜は、末っ子の子どもの具合が悪いと電話で連絡があり、エレナは一人で朝用の菓子作りを進めることになった。

クロワッサンを素早い慣れた手つきで成形しながら、最初に働き始めた頃の手の不器用さを思い出した。二時に最初のラックをオーブンに入れ、タイマーをセットした。焼いている間に大理石の作業台を拭き、前のシフトが床に小麦粉を散らかしたままだったことに気づいた。バニラと温かいバターの香りがすぐに部屋いっぱいに広がった。三時に店主が必ず記録させる温度ログを確認した。すべて規定範囲内だったので安心した。先月の検査が厳しかっただけに、ほっと胸をなでおろした。

突然電話が鳴った。配達業者が環状道路で車が故障したため、少なくとも四十分は遅れるという。エレナはパンが彼の到着前に焼き上がると計算し、前夜に冷ました商品の包装を始めることにした。

四時半になると、高い窓から差し込む朝日が店内に金色の光を広げていた。最後の箱にラベルを貼り終えたところへ、マサトの代わりの新人見習い、トオルが大きなコーヒーを二杯持って入ってきた。彼は早めに着いてしまったと謝り、車の積み込みを手伝うと申し出た。エレナは微笑み、長い夜勤がようやく終わることに感謝した。六時に新鮮な朝の空気の中へ外へ出ると、街がまだ眠っている間に、シンプルな材料を完璧なパンや菓子に変えていた自分に改めて気づいた。

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1エレナは何時にベーカリーに到着したか。
2その夜マサトが仕事に来なかった理由は何か。
3エレナが最初にラックをオーブンに入れたのはいつか。
4前のシフトが残していたものでエレナが気づいたものは何か。
5エレナのシフトの終わりに大きなコーヒーを二杯持って来たのは誰か。

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