収穫の終わり
B1去年の夏、私は長野県の小さな果樹園でアルバイトをしました。毎朝、りんごと梨を太陽が高くなるまで摘みました。しかし最終日は様子が違いました。最後の木箱を古い赤いトラックに積み込んでいる時、急に黒い雲が出て激しい雨が降り始めました。果物のほとんどはもう摘み終えていましたが、遠い畑にいくつかのカゴが残っていました。農園主の田中さんは、地面が泥になる前に急げと叫びました。
カゴを持って走りながら、友人の美咲が滑って梨をいくつか落としました。雨の中でも笑いながらみんなで彼女を助けました。作業が終わる頃には服がびしょ濡れになっていました。
田中さんは納屋の中で簡単な別れの昼食を用意してくれました。サンドイッチを食べ、冷たいレモネードを飲みながら、彼は来年この農園を売ることにしたと言いました。みんな一瞬静かになりました。私は早朝の空気や熟れた果物の香りが好きになっていましたが、これが最後だと分かりました。
昼食の後、道具を片付けてお別れをしました。門まで歩いていると、美咲が来年また一緒に働けたらいいねと声をかけてきました。私は微笑んで、来夏の天気が良ければ戻ってくるかもと答えました。バス停に着く頃には雨がやんでいました。空になった果樹園を振り返りながら、あの長くて疲れる日々がどれだけ恋しくなるだろうと思いました。