果樹園の別れ

B2

471 salita · ⁦~3⁩ min basahin · Upper-intermediate

最後の木箱がトラックに積み終わる頃、八月の太陽はすでに、盛岡近郊のリンゴ果樹園を囲む丘の向こうに沈みかけていた。美香は十六歳の夏から毎年ここで働いていたが、今日が最後のシフトになる。彼女は仙台の大学に進学が決まっており、来年は戻らないつもりだった。果樹園の主である佐藤さんは朝に彼女の手を握り、「寂しくなるよ」と言ってくれた。奥さんは特別にレモンケーキを焼いてくれた。それでもみんなの雰囲気はどこか静かで、別れの言葉はあえて口にしない方が楽だということを、誰もが分かっているようだった。

美香は午後、遅い時期に実るリンゴを最後まで収穫していた。八週間続いた同じ動作で、腕が痛くなっていた。四時半に一度手を止めて、果樹の列の低いところを飛ぶツバメのつがいを眺めた。あの光景は、初めてここに来た緊張した日のことを思い出させた。当時はバスケットを二つも落として果物を傷つけ、監督から優しく注意されたものだ。今では十分足らずで箱を一つ満杯にできるし、傷も一つもない。

五時前になると、他の季節労働者たちが古い石造りの納屋の近くに集まった。夏中トラクターを運転していた健太が、ずっと取っておいた手作りのリンゴ酒の瓶を出した。プラスチックのコップを回しながら、空は黄金色に変わっていった。美香は仲間たちが夏の出来事を語り合うのを聞いた。灌漑パイプが破裂した日、観光客が一番高い木に登ろうとした午後、雹が全作物をおびやかした朝の話だ。きっとこの人たちの大半とは、もう二度と会わないだろうと美香は思った。

コップが空になると、佐藤さんがレモンケーキを持って現れた。彼は全員の頑張りに感謝し、この果樹園にとって熱心なチームに恵まれたのは幸運だったと述べた。美香は急に喉が詰まるのを感じた。一時的な仕事にこんなに愛着が湧くとは思っていなかった。六時十五分に最後の箱をトラックに積むのを手伝いながら、仙台の新入生たちが、夕暮れの木々の間に立ち、熟れた果物の香りを吸い込むことの意味を、果たして理解できるだろうかと彼女は考えた。

後で、自転車でいつもの道を家に帰る途中、美香は一度だけ振り返った。果樹園の明かりが灯り、深まる夕闇の中で柔らかく輝いていた。そこで彼女は思っていた以上に多くのことを学んだ。忍耐、肉体労働の満足感、そして良いものが自然に終わる時に訪れる静かな悲しみだ。明日は大学の荷造りを始めるが、今夜はあのレモンケーキの味と、皆で回したリンゴ酒の記憶が、家までの道中ずっと彼女と共にあった。

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1美香はこの夏、何週間働きましたか?
2美香がツバメを眺めるために手を止めたのは何時でしたか?
3手作りのリンゴ酒の瓶を出したのは誰ですか?
4作業員たちが最後の箱の積み込みを終えたのは何時でしたか?
5佐藤さんの奥さんが美香の最後の日のために焼いてくれたものは何ですか?

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